切手盆セツト【黒古代紫】

切手盆セツト【黒古代紫】
黒古代紫「風呂敷」「掛袱紗」

非常に珍しい「鳥居に対鳩」という家紋での切手盆セツトのご注文です。色は黒古代紫。微妙に黒っぽい品のある紫。当初外包みは、元々のセット組の”袷ふくさ”の予定でしたが、鳩の羽の線画が非常に細かいため風呂敷での製作。風呂敷は2巾(68cm)サイズ、掛袱紗は6号サイズです。3点セツトですので切手盆もありこちらは9号という一番大きいサイズです。

鳩の家紋自体は紋帳にもいくつか載っており、鳥居とともに描かれているのもあるのですが、こちらのお客様のような鳥居の上に鳩が止まっているというのは非常に珍しい。いくつかある紋帳や家紋の辞典も見ても載っていない・・そこでお手持ちの塗り物に描かれているもののお写真をお送りいただき、それを型にして製作をしました。

中でも注目は切手盆に描かれた家紋。掛袱紗や風呂敷は家紋の大きさが10㎝程ありますが、切手盆に関しては大きいサイズの9号でも直径4~5㎝程度、その小さな中に繊細な線を表現するのは極めて難しい。熟練の職人技があって初めてできること。改めて職人技のすごさを感じました。

切手盆(越前塗り)別誂

今回の「鳩」の家紋に関しての由来を少し書いてみたいと思います。一部「家紋大図鑑」の記述を参考にさせて頂いております。

鳩は武家から崇敬された八幡大菩薩の使いと考えられていた。

「吾妻鏡」には八幡大菩薩の旗の下に二羽の鳩を縫って奥州に出陣したとの記述が載っているほか「源平盛衰記」「太平記」など他の多くの軍記ものにも出陣に際して勝利を呼び込む縁起の良い鳥としとして描かれており、皆、勝ち戦の願いを込め、ひいては家の繁栄を願って 鳩をシンボライズしたものを家紋としていったようです。

 足助氏は「番鳩」、位田氏は「鳥居に鳩」また八幡宮の神官・宮崎氏も鳥居に鳩を紋としている。

今では平和の象徴と考えられている鳩が元々は武家に愛された神の使いであるというのが興味深い。

PS: 黒古代紫の色について、これも毎回「黒古代紫と古代紫の色の違いが単独で見ているとどうしてもわかりずらい」という意見を頂きますので、比較してみました。ご確認ください。

黒古代紫と古代紫

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