良くお客様から「ふくさの色は何色が良いでしょうか?」という質問を頂きます。毎回頂く・・と言っても過言ではない程です。この色に関しての質問は袱紗に限らず染物全般に頂きます。
染め色は紫系をはじめ、赤系、緑系、青系・・と無数にあり、何色にも染めることができるのが魅力ではありますが、「逆に何色でも」というのが迷ってしまう原因かもしれません。あれこれ考えているうちに何色が良いか分からなくなってしまう・・・
そこで、当店おすすめのお色、決定版とでもいうべきお色をご紹介します。実際お作り頂いた方からもご好評を頂いていますので、選んで間違いのない色たちです。
慶弔兼用の場合
ずばり「古代紫」(写真手前の2枚)です。何度も何度もご紹介して参りましたので、またかと思われる方もあるかと思いますが、明るすぎず暗すぎず本当に上品で良いお色です。
こちらは丸付きのいわゆる男紋。
1枚で冠婚葬祭にも使えるため最もおすすめのお色です。
慶弔を分ける場合
本来、慶事と弔事は正反対の事柄、それゆえ慶事と弔事では色は分けるべきものですが、なかなか2枚も作るのは予算的に厳しいという場合もあるかとは思います。でもできればそれぞれ専用のお色でお作り頂くのがベスト。
慶事専用であれば「ローズ」がおすすめ
ローズ(写真奥の左側)は、明るくて上品でそして華やかさが演出できる色。厳密には”渋ローズ”と呼んでいますので、サーモンピンクに渋みを少し加えたといった感じです。
こちらは丸無しの、いわゆる女紋。一般には女性専用になります。特にローズは女性らしい柔らかな色、男性が使ってはいけないわけではありませんが、やはり女性専用とお考えいただくのが良いと思います。
弔事(仏事)専用であれば「銀鼠」がおすすめ
グレーが好きだからと、御祝い事に銀鼠(写真奥の右側)使ってもそれは自由と言えば自由ですが、色のイメージの問題とも言えますが、やはり違和感は否めないし非常識と取られても具合悪い。
慶弔完全に色を分け、仏事専用と考えるなら中途半端に薄い色ではなく、より仏事色を強く、濃い目の濃鼠といった感じで染めるのがおすすめです。
ここまではっきりと色を分けてしまえば、御祝はより華やかに、仏事はよりしめやかにという雰囲気が醸し出せるのは間違いありません。
「包む」という事は、むき出しではなく、丁寧に持参したことを、何も言わなくても相手に伝える行為なわけですが、そこにさらに色で気持ちを表現し、またさらに家紋を入れることによって、こちらの最上級の気持ちの表現となるわけです。何も言わなくても伝わる、奥ゆかしさ、これこそ日本の美しき心です。
ちなみに、これらの袷ふくさ(正絹白山紬)は45cm巾仕立てでのご用命。45cmですので切手盆などと使うというよりは、単独で金封だけを包むのにお使いいただけるサイズです。手軽にさっと使えるという点では非常に出番が多いと思います。
前回の「慶事と仏事で風呂敷の色を分けるべきか」でも色に関しては触れていますので参考に
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