そもそも折敷とはお供え物を捧げるための木の葉を折り敷いた柏のような大きなもの、昔はこれを折敷と呼んでいた。後には木の皮(片木)をはいだ三方に変わったが相変わらずそれを折敷と呼んだ。三方を真上から見ると八角形に見える。それゆえ、これを「隅切り角」という。
いくつかある家紋帳の中でも「標準紋帳」「平安紋鑑」では「折敷(おしき)に三」は「隅切り角に三」に統合されていたりすることからも、現在存在しない折敷が、別のものに置き換わっても昔の呼び名が残っているということがわかる。
「隅切り角に三」について少し調べてみると、この形が家紋になったのは、まずもってお供え物を乗せる神聖な台がモチーフになっていることからもわかるように、元々信仰的な意味から来ているようだが、伊予国に代々続いた越智氏がそれに、伊予大三島に鎮坐する三島大名神の「三」を入れて家紋としたのが始まりのようです。
同族の河野氏・稲葉氏なども同じでともに家紋は折敷に三(隅切角に三)を用いております。元々三本の長さは均等のものであったようだが、今回の写真のように三本の長さがそれぞれ違う、漢字の三の字のようなもの(※紋帳によっては「隅切り角に三の字」との表記もあり)であったり、三本が波打っている「隅切り角に揺り三」であったりと、やはり他の家紋同様に本家とは違うバリエーションが派生しています。 (一部出典/家紋大図鑑)
この広蓋について
ちなみに写真の広蓋は、越前塗の本堅地という、表地だけではなく裏地にも本漆を使用した超本物志向の広蓋です。特に淵の厚みは半端ない重厚感を醸し出しています。
風呂敷もお揃いの家紋を入れて揃えておかれるとよろしいのではないでしょうか。
通常、家紋の外輪は側は「丸」であることが多い中、この「隅切角(折敷)」の家紋も割とあります。下の写真は「隅切角に五三の桐」その他比較的よく見かけるポピュラーな家紋と「隅切角(折敷)」を組み合わせたものは結構あります。
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